デザインのヒアリング成功のためのポイント

こんにちは!
Webデザイナー兼ディレクターのあられです

どの業界でも「ヒアリング」って大事な要素ですよね。
特に営業マンにとっては必須のスキルというイメージがあります。
私が関わっているWeb制作やグラフィックデザインなどの業務においても、ヒアリングは非常に重要なんです。

「ヒアリング」で検索してみると「クライアントとの良好な関係を築く」とか「スムーズに仕事を進める」という営業的なノウハウは他業界の方がたくさん示してくれているので、この記事では、【デザインのためのヒアリング】について、いくつかの実例やポイントを交えてお話ししてみますね〜(๑❛ᴗ❛๑)

その1 ヒアリングシートに頼りすぎない

ヒアリングシートに頼りすぎない

ヒアリングシートは、デザイナーやディレクターにとって便利なツールの1つです。記録に残りますし、事前にじっくりと設問内容を仕込むことができます。私も過去に独自でヒアリングシートをいくつも作成したことがありましたが、クライアントごとにニーズが違ったり、担当者の人柄や性格も違うのでテンプレート化することは難しいと感じています。(まともな内容で書いてくれない方も多々いらっしゃるのです…)

記入をお願いしても、担当者が多忙の場合はただの一問一答形式に終始してしまったり、設問内容や回答方法によっては逆に肝心な情報を収集できないなど、機械的なコミュニケーションになってしまうことも。さらに、設問項目が多くなると回答するのが大きな手間と時間を強いることにもなります。

このようなことから、ヒアリングシートはあくまで打ち合わせやディレクターからデザイナーへの申し送りをする際の補助的なツールとして活用し、クライアントの特徴や性格を見た上で内容や使用法を変えていくことをおすすめします。

その2 ユーザー視点やデザインの役割を共有する

ユーザー視点やデザインの役割を共有する

クライアントからデザインの要望を聞き出す時に「どんなのがいいですか?」なんてサクッと聞いたりするんですが、クライアントの要望に真正面に応えるだけでは良いデザインは生まれません。デザイナーが良いデザインをつくるためには、そのデザインの成果物を見るエンドユーザーやステークホルダーにどう思われたいか、どう感じて欲しいかが大事なポイントです。

Webやグラフィックに限らず、いわゆる「商業デザイン」は、自己表現ではなく、商品・サービスとエンドユーザーとの橋渡しをするという役目を背負っているわけです。私が打ち合わせをする際は、クライアントにはこの「デザインの役割」をぜひ改めて知っていただいた上で、「ユーザーにどんな印象を持ってもらいたいか」を共有するようにしています。

【ステークホルダー】 とは

ステークホルダー(英: stakeholder)とは、企業・行政・NPO等の利害と行動に直接・間接的な利害関係を有する者を指す。日本語では利害関係者(りがいかんけいしゃ)という。具体的には、消費者(顧客)、従業員、株主、債権者、仕入先、得意先、地域社会、行政機関など。

引用元:https://ja.wikipedia.org/wiki/ステークホルダー

その3 既存のデザイン事例を一緒に見る

既存のデザイン事例を一緒に見る

過去に作って好評だった!というデザインや、競合他社のものだけどこういうの良いな…と思ってるデザインがあればヒアリングしておきましょう。全く同じに真似することはできませんが、イメージに近づけたり、好みに寄せたいときの有力な情報源になります。もちろん、逆に「こういうのは好きじゃない」というイメージとはかけ離れたテイストについても聞いておくのも良いです。

その4 抽象的な表現が出てきたら、具体的に聞き出す

抽象的な表現が出てきたら、具体的に聞き出す

「かわいい」「かっこいい」などの抽象的な表現がクライアントの口から出てきた時は、「かっこいいと思うポイントはどの部分ですか?」とぜひ聞いてみましょう。抽象的な表現は、個々で持っているイメージが大きく違う場合があり、他人には正しく伝わりにくいことが多いです。

また、「デザイナーさんのセンスにおまかせで!」という一見嬉しくなっちゃう言葉にも要注意!一定のお付き合いのあるクライアントで、こちらの趣向やクオリティを理解してくれているのであればよいのですが、初めてやりとりするクライアントからこんなことを言われて、そのまま制作に入ってしまうと、あとになって自分自身の首を締めることになりかねません。

クライアントから具体的な希望が出てこない場合は、こちらから「こういうのはいかがですか?」と希望のイメージを引き出せるような事案を提示したり、デザインの方向性になるものを提案してあげると良いでしょう。

その5 最終的に意思決定をする人物を把握しておく

最終的に意思決定をする人物を把握しておく

実際にやりとりする窓口担当者と、意思決定をする人物が同じでない場合があると思います。その場合は、意思決定をする人物についても可能な範囲でヒアリングしておくと良いと思います。窓口担当者がどんなに「このデザインいいですね!最高です!」と褒めてくれていたとしても、意思決定者が「いや、NOでしょ!」と言ったら、もうどうしようもないですね。

意思決定をする人物と直接コミュニケーション出来るのが一番良いのですが、それができない場合でも、その人の性別や年齢、趣味、性格や人柄など、雑談を交えながら聞き出せるとベストです。小さな情報ですが、細かな修正が出た時や、素材や原稿などの情報が少なくてアイデアの引き出しに困った時、これが助けになってくれる場合があります!

このちょっとした情報で、修正の回数が減ったり、全体の工数削減にも大きく関わってくることがあります。

まとめ

いかがでしたでしょうか?
今回はデザイナー目線で【デザインのためのヒアリング】についてお伝えしました。

デザイナーは要望どおりにつくるだけではなく、ユーザー視点とマーケティング視点をそなえた上でのデザインを提案しなくてはならないことが多々あります。クライアントの商品やサービスを理解し、そこにかけるこだわりや熱量を把握することが、選ばれるデザイナーになるための条件になるでしょう。

ディレクターは、聞いたことをそのままデザイナーに横流しするのではなく、内容を噛み砕いてディレクターとしての的確な指示として伝えてください。そして、クライアントとのコミュニケーションの中で自分なりに感じた印象や、直接制作に関わらないような雑談の中から知り得た情報でも、デザイナーにとってデザインのスパイスになることもあります。

実際にお仕事を受注した際は、ぜひ今回の内容を参考にしてヒアリングをしてみてくださいね!